(54)アーサー・C・クラークと仏教と親鸞会

SF作家の大御所、アーサー・C・クラークが19日未明90歳で亡くなりました。キューブリックと共同作成した、映画史に残る『2001年宇宙の旅』の原作者であり、人類史上初めて、衛星放送のビジョンを発表(当時、弱冠28歳)し、のちに国連で講演をした人でもあります。

30歳のときに、英国惑星間協会の会長に就任。さらには、人工衛星を応用した天気予報の概念について語り、これがきっかけで、気象学の新分野が開かれました。当時38歳。世界SF大会においてファン投票で選ばれる年間最優秀賞ヒューゴー賞とアメリカSFファンタジー作家協会 (SFWA) が、アメリカ合衆国内で出版・発表されたSF作品を対象に、毎年授与する文学賞ネビュラ賞の同時受賞を2回なしとげています。

そのアーサー・C・クラークの最高傑作は『2001年宇宙の旅』ではなく『幼年期の終わり』(1853年)という長編SF小説です。

この小説は、2006年、日本唯一のSF専門誌「SFマガジン」がおこなったオールタイムベストで2位に選ばれました。(1位は「ソラリス」)

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『幼年期の終り』(ようねんきのおわり、Childhood's End) はイギリスのSF作家、アーサー・C・クラークの長編小説。1953年(昭和28年)に発表され、クラークの代表作としてのみならず、SF史上の傑作として広く愛読されている。

と評されているように、世界的にも現代SFの古典のベスト10に必ず入る傑作で、SFアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』にも大きな影響を与えている哲学的な内容です。

簡単なストーリーは以下の通り

ある日、巨大な円盤状の宇宙船多数が世界各国の首都上空に出現する。宇宙船に搭乗する宇宙人の代表は、電波を通じて自分はカレランという名であること、今後地球は自分たちの管理下に置かれること、などを宣言する。カレランは国際連合事務総長ストルムグレンを通じて地球を非暴力のもと、実質的に支配し、その指導の下、国家機構は解体してゆく。地球人はこの宇宙人を「オーバーロード(上帝)」と呼んだ。

この小説で、オーバーロードが、過去が分かる装置を世界歴史協会に貸与したところ、次のようになりました。

おびただしい数の人類の救世主がその神性を失うことになった。冷たく、感情の入り込む余地のない真実の光のもと、2千年にわたって何百万もの人々の心を支えてきた宗教は、朝露のようにはかなく消えた。それらによって巧妙に作られてきた善と悪は、すべて一瞬にして過去のものとなり、人類の心を動かす力を失った。

そして

新しい時代は、宗教と完全に縁を切っていた。オーバーロードがやってくる前の時代に存在していた信仰のうち残っているのは、純粋な形の仏教(あらゆる宗教のなかで、おそらくもっとも厳格なもの)だけだった。奇跡やお告げをよりどころとしていた宗派はことごとく破綻した。

今から50年以上前に、イギリスの作家がよくもこのように書けたものです。親鸞会で「キリスト教はまちがっている」「仏教だけが真実を説いている」と聞くと、猛反発する人もありますが、分かる人にはちゃんとわかっているのです。惜しい人を亡くしたものです。

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